小説:ColorChange


<ColorChange 目次へ>



過去の事って気になりますか?
《 Acting.by アキラ 》

 「香織」


 ――――――メイクラブしながらこの名前を呼ぶのは、あなたが初めてよ。


 「香織」

 誰かの名前が、こんなに神聖なものになる。


 「アキラ、んッ」

 「香織・・・」

 一度呼ぶと、歯止めが効かなくなった。



 好きだと言う気持ちが、後から後から俺を突き動かす。
 薄闇に浮かぶ香織の身体が、俺と繋がったところから激しく揺れる。


 「ああ! やっ、アキラ」

 何処からなんだろう、線引きは。

 どれくらいキスをしたら?

 何度SEXをしたら?


 何百回好きと言えば・・・?



 『あなたが初めてよ――――――』

 俺のどうしようもない心の狭さから生まれた嫉妬に、こんなふうに応えようとしてくれる彼女に、


 「香織」

 額に浮かぶ汗を掌で拭ってやる。


 「愛してる――――――」


 律動をそのままに、何度も唇を啄ばむ。

 「アキ、ラ」

 「愛してる」

 「ああっ、んッ、あ、」

 「愛してる・・・」

 「アキラ、あ、あっ、ッ――――――」


 彼女に全身で伝えたい――――――



 「愛してる―――――― 香織・・・」



 溶け合って、このまま一つになれれば、どれだけ幸せを感じるだろう―――。

 このまま二人で呼吸が止まってもいいと、俺は本気で思っていた。


 ――――・・・








著作権について、下部に明記しておりマス。



イチ香(カ)の書いた物語の著作権は、イチ香(カ)にありマス。ウェブ上に公開しておりマスが、権利は放棄しておりマセン。詳しくは「こちら」をお読みくだサイ。