小説:虹の橋の向こうに


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副虹の青

 青。


 誠実と信頼の青。


 君の・・・白のスカーフを映えさせた青。



 傍にいて、



 微笑む君を見ていたかった。




 幸せならいい。


 泣いていないのならいい。


 オレは遠くで、ただそれだけを願うから。




 空も、


 海も、


 何もかも、


 手に掬えば透明で、




 ・・・オレから零れるこの想いも、


 時間をかけて、いつかそこに還るだろう。



 その時まで、ひたすら馳せる。



 美織という名の、


 祈りの青――――――。








 「おーい、レントぉ」

 始まる前に終わったらしい恋に、オレのテンションがだだ下がっていようが、

 「ねぇ、レント君ったらぁ」

 新しい彼女に、珍しく篤が上機嫌になっていようが、

 「・・・篤、その声音と口調、やめろ」

 9月に入ると、本来の日常に押し戻されるのが学生のオレ達。


 「やだ、レント君、機嫌わる〜い」

 白のカッターシャツに身を包んだ篤が、教室の一番後ろ、窓側の席に座るオレの隣から、わざとらしく声をあげる。


 「篤・・・」

 「だってぇ、――――――さっきからお前の携帯、しつこく鳴ってんだって」


 ふと口調を戻した篤が指差すのは、オレの鞄の中。

 言われて耳を澄ますと、小さな着信音が流れている。

 「あ・・・、音切るの忘れてた」

 「ボケっとし過ぎですよ、レント君」


 出遅れて、美織を掻っ攫うタイミングを失ってしまったオレの心境を知っている篤は、きっとこれでも気を紛らわそうとしているんだと思う。

 「・・・ああ、悪ぃ、サンキュ」

 「おう」

 鞄を開けながら、教室の前方に掛けられた時計をチラリと見ると、15時過ぎ。
 放任の うち だから自習時間が多いだけで、普通の学生になら、電話なんかかけない時間帯。


 ――――――誰だ?



 怪訝に思いながら取り出したスマホに表示されている着信名は――――――、




 「・・・美香さん?」


 思わず呟いたオレの視界の端で、篤が僅かに、視線を上げてこちらを見ていた。








 その日の放課後、

 オレは腕を組み、廊下の壁に体重を預け、隣のクラスのSHRが終わるのをジッと待った。
 円の校舎は階段が片側にしかなくて、帰るためには必ずここを通る必要があるからすれ違う心配は無い。

 そう待たない内に、教室からざわざわと新しい波が廊下に溢れ出て来て、その中に、オレの目的の奴の姿を見つけた。


 「・・・藤森・・・」

 オレが、意志ある眼で見ていたからか、気まずそうに顔を歪めた大木哲。

 「――――――ちょっといいか?」

 「・・・ああ」

 大木が、周囲を気にするように間を置いて頷いたのを確認してから、オレは、屋上へと続く階段を先に上り始めた。





 「美織が、一週間の停学になった」




 「――――――え?」


 唐突に告げたオレの言葉に、まるで、風に攫われそうな程に小さな反応。

 ただ、その目は丸く見開かれていて、


 「・・・なんで?」

 「不健全性的行為」

 「・・・え? ふけ、・・・性的行為って・・・」

 「不純異性交遊。こっちの方が解り易いよな、やっぱ。――――――ま、そういう事」

 「そういう事・・・って」

 「だから、お前とそういう事したのが学校にバレて、特進科の美織が、割り食って停学食らったって話。っつうか、 普通科 シロ と扱い、違い過ぎだろ」

 「・・・お、・・・俺は、俺は別に関係な・・・ッ!」


 そう言いながらも、苦しそうな顔をしている大木は、まだ救いようがある気がして、


 「ああ。判ってる。お前はただ、引っかかった大宮の女子を、美味しくいただいただけだもんな」

 「・・・」

 「けどお前、本当に気づかなかった?」

 「――――――え?」

 「恋に恋してた、美織の事」

 「・・・」

 「出会ったばっかなのに、お前の性急さについて行こうと必死になってた美織の事」

 「・・・」

 「お前の名前を、大事そうに呼んでた美織の事・・・」


 大木の唇が、内側にギュッと呑み込まれた。


 「お前がさ、また次の女に同じ事したら、今回の美織の涙が報われないって思ってさ、――――――別に説教する気はないけど、・・・けどむかつくから、言いたい事、マジで、言わせて?」

 「・・・藤森・・・」


 眉尻を下げた大木とオレの間を、一陣の風が駆け抜けた。


 「――――――お前・・・、ちゃんと覚えてるか? 美織がどんな顔でお前を見てたか、どんな顔してキスしてたか。・・・美織の柔らかさ、匂いとか、涙とか、――――――どれくらい見つめ合ったか、どんな言葉を交わして一つになったか、――――――ちゃんと覚えてるか?」

 「・・・」

 「美織の声一つ、思い出せねぇんだろ?」

 「・・・ッ」

 「女を、――――――美織を何だと思ってたんだよ・・・」

 「・・・俺はッ」



 「気持ち要らねぇんなら、目ぇ閉じて自分でシコってろ!!」


 思ったより腹から声が出て、大木は気圧されたように息を呑んだ。


 「――――――マジ、失敗した」

 「・・・藤森・・・?」

 「長虹橋で、美織のスカーフが降りてきた時、オレもあそこに居たんだ」

 「――――――え?」

 「美織見た瞬間、光が降って来たと感じた自分の直感、信じて動くべきだった」

 「・・・・・・」

 「意味、解るだろ?」

 「・・・ふじ、もり・・・」

 「もしあの時、美織にYESを貰ってたのがオレだったら、今頃美織は、少なくとも、傷ついたりはしなかった。――――っていうか、オレが絶対に幸せにしてた」

 「・・・」

 「ダチがそうだからって、流されんなよ。で、・・・少しでも美織の存在がお前の胸に引っ掛かったんなら、頼むから、これからは惚れてもいねぇうちに女抱くな」

 「・・・」

 「じゃ、オレ行くわ。――――――悪かったな。オレの憂さ晴らしに付き合わせて」



 さっさとドアの方へと歩き出したオレの背中に、大木がこれまでで一番大きな声を出した。


 「藤森! ・・・その、美織、・・・は」

 「どうしてるのかは知らない。オレも、伝手があって聞いただけだし」

 「・・・」

 「なんか、スゲェ優しい王子様が傍にいるって事だけは、間違いなさそう」

 「――――――え・・・?」

 戸惑ったような大木の表情に、苦笑を返す。


 「ほんと、恋ってタイミングだよな。お互い、しばらくは後悔だけで息できそうだ。――――――じゃな」


 俯いて、灰色の足元を見つめながら何を考えているのか、微動もしない大木に手を上げて、今度こそ、オレは屋上を後にした。





 「ねぇ誰かぁ、黒のストッキング買ってきてぇ」


 お袋の店の開店準備を終え、そろそろ帰ろうかとコートを羽織ったタイミングで、キャスト用の控室から聞こえていたその声に、

 「はーい」

 カウンター内にいた一人のスタッフが困ったような顔をしながらも、透かさず反応して手に持っていた酒瓶を箱に戻した。
 それをスタッフ専用の出入り口付近から見ていたオレは思わず手を上げる。

 「トクさん、良かったらオレ、行ってきますよ」

 ホールに声を響かせてそれを告げると、トクさんは嬉しそうに顔を綻ばせた。

 「いいのかい? レント君」

 「そこのコンビニでしょ? オレ、もう帰るだけだし」

 「助かるなぁ。今日は仕入れが多くて。あ、レシートでいいからね」

 「了解」


 円を描くソファが幾つも並ぶフロアを横切って、開けられたままだったドアを抜けて外に出る。

 夕方6時。

 10月にもなれば辺りはもう薄暗くて、学校帰りに歩いてきた時とは過ぎる人の様相も変わっている。

 ここは、この街で一番の繁華街。
 その中でも、親父が21で生み、お袋が育てたこのクラブは今年で20年目になる老舗の高級クラブで、

 ―――――高校に入ってから、小遣いの名目で店の準備させられているから、親父やお袋の周りの人間は、オレが跡を継ぐと思ってるらしい。


 好きでもないけど、嫌いでもないから、したい事が特に無ければそれも"あり"かとは思うけど、まだ1年で、将来とか言われてもピンとこないしなぁ・・・。


 美織は――――――、


 何で勉強してんだろう?

 将来の職業とか、もう決めてんのかな――――――?





 「ありがとうございましたぁ」

 言伝った黒のストッキングを手にコンビニを出て、来た道を戻る。


 「あ、おはよう、レント君」

 「おはようございます」

 近くにもう一店舗ある親父の店のキャストさんとすれ違いで挨拶。
 そのやり取りに振り返った別の店の黒服。

 「あ、レント君! ちょうど良かった、この前借りた酒、返しに行くトコだったんだ」

 「オレ預かりますよ」

 「悪いなぁ、サキさんによろしくね」

 「了解です」40



 ボトル2本を片手に引き受けて、また歩き出す。


 入り浸っているわけじゃ無いけど、人の顔を覚えるのが才能って人間ばかりだから、認識すれば仲間意識みたいな親しみを以て声をかけてくれるのが夜の世界。

 勿論裏もあって、いい とこ ばかりじゃないけど、こういう、人と意外な温もりをとれる距離感は好きだと思う。


 そんな事を考えながら、見えてきた店の入り口にふと気を緩めて、何となく周囲に目線を泳がせた時だった。


 「――――――・・・美織?」


 道の向こう、黒の高級車の横で、キャラメルカラーのワンピースを着た美織が立っていて、


 やべぇ、やっぱ好きだわ。


 約二か月ぶりの美織に、胸が痛くなったのも一瞬、



 "美織ちゃんには、素敵なナイトがいるらしいのよ"


 慣れた様子で、美織の頭をポンポンと撫でる黒髪のその男は、すっげぇ優しい笑顔を浮かべている。

 それを見つめ返す美織は――――――・・・、


 「――――――あら、煌さんね」


 「!!」


 突然、背後から声をかけられて、危うくボトルを落としそうになった。
 振り返ると、そこには濃紺の着物姿のお袋が立っていて、

 「驚かすなよ」

 「あら、ごめん」

 「・・・コウさんって、あいつ?」

 「そ。この辺りを仕切ってる、――――――まぁ、地主みたいな人の息子さん。うちの店が入ってるあのテナントビルも彼のお父さんの物よ」

 「・・・ふうん」


 金持ちのボンボンって事か――――――。

 それであの容姿・・・、あいつ、美織の他に女とか居ねぇだろうな?


 「女は、一生にたった一人が捕まえられればいいって、表に出さずに可愛がってるお姫様がいるって聞いていたけど、あの子がそうなのかしら?」

 「――――――え?」

 「卒業を待って結婚するらしいわよ」

 「結婚・・・?」


 ・・・美織が?


 想像、したくもねぇのに、ウェディングドレスを着た美織は、何故か妙に鮮明に頭に浮かんできて、


 ――――――マジか。

 いや、・・・早すぎじゃね?


 思わず、深いため息が出る。


 ・・・けど、


 「お父さんも一途な方だから、煌さんも、もしかしたらそういう愛し方が出来る人なのね」

 「・・・そっか」


 そいつの指が髪に触れる度、嬉しそうに微笑む美織はとても幸せそうで、


 すげぇ、泣きたいくらいに喉の奥が熱くなったけど、それでいいと思った。



 「あんたも、早く次の彼女でも探しなさいよ」

 「ん〜、オレは当分いいや」

 「ふふ。あんたも大概、不器用だもんね〜」


 お袋の手が、くしゃりとオレの髪をかきあげる。


 「あの馬鹿に似て」


 笑ったお袋は、オレの目にも寂しそうで、・・・女の顔をしていて、



 今はお互いに別の相手がいるけれど、お袋と親父が昔はちゃんと惚れあっていたんだって、こういう時に垣間見る。



 「でも、――――――あんたも結構いい男だわよ」

 「うるせぇ」

 「さすが私の息子」

 「結局そっちかよ」


 店へと歩き出したお袋の後を追いかけながら、ふと、後ろ髪を引かれる思いで振り返りそうになったけど、


 ――――――ずっと、そうやって笑ってろよ、美織。



 暫くは惚れたままだと思うけど、お前の幸せってやつ、男らしく祈る事にする。


 そんなキザな事を考えている内に、

 失恋の痛みとは別に、新しく前に進むための光が、ほんの少しだけ、オレの中に見えた気がしていた。







 ――――――
 ――――


 「足りねぇ・・・」

 作業台の上で頭を抱えたオレの呟きに、

 「んぁ?」

 同じ作業台に顎を乗せてカクカクと居眠りをしていた篤が左右に揺れながら返事をする。


 「足りねぇ。ぜんっぜん、パワーが足りねぇ」

 「・・・ぁあ・・・。俺も睡眠足りねぇ・・・、っつうか愛が足りねぇ・・・。なんで土曜の夜にレント君と学校に泊まり込み・・・」


 世間を歩く風評と、偏差値の酷さに反比例。
 何故か校舎設備だけは整っている円工業の実習室。

 参戦するロボットの設計図で予選を勝ち抜いた12チームだけが、
 本戦までの五か月間、実習室の鍵を管理して1チーム1室を独占出来る。

 見事予選を通ったオレ達は、来年2月に開催される円工業高校恒例のロボットコンテストの本戦に向けて調整の真っ最中。

 審査は簡単。
 対戦式で、敵陣の奥にあるバスケットに多く自軍カラーのボールを入れた方が勝ち。

 シンプルだけど、

 自軍のボールを運び、敵の守備や攻撃を避けて、
 かつ自陣のゴールも守りながら、いかに相手ゴールにボールを入れられるか。

 制限時間は3分。

 オレが設計したのはザ・ロボット的なデザインのヤツ。
 二足歩行で、背中にボール運び用のカゴ背負って、正直、自陣を守る気は一切無し。

 さっさとゴールして、余裕があれば邪魔をしに戻るくらいが作戦。


 ――――――の予定が、


 「・・・肝心のカゴを持ち上げる力が足りねぇ〜」


 ほとんど合宿のノリで詰め込んで泊まり込んで作業してんのに、


 現段階で、肝心のロボは途中で馬力消失。
 アームがガッコンガッコン空回り。


 「・・・ユニット部の見直し要るかもねぇ・・・。駆動で力尽きたんじゃ、設計ミスだととられかねないよぉ?」

 「判ってる。――――――けど絶対に理論は合ってるって。北見の計算通り。ただ、物理的にどっかで見落としてるポイントがある筈なんだよ。あ〜クソ、降りてこねぇ」

 このロボの制作に取り組んで既に三か月。
 もうすぐクリスマスだってのに、まったく明るい展望が見えてこない。


 「・・・まぁ、一直線のレントらしいはらしいしらしいけどねぇ」

 意味の分かんねぇ言い回しの後、

 「ん〜、ボディとデバイス、アイデア尽きて、そのままで見直すとすると、後は・・・、プログラム、かなぁ」

 ポロリと出た篤のまともな意見に、オレは今度こそ力尽きたて机に俯せた。

 「――――――無理。これ以上はマジ無理。アレはオレには触れねぇ」

 あのDOS画面見るだけで、もう吐き気しそうだし。

 「はい。レント君が無理なら俺も無理〜」

 投げやりに歌に乗せた篤に、思わず深い息が出る。

 「――――――うああぁ〜、北見が恋しい」

 渾身のオレの嘆きに、

 「だぁね、だぁねぇ」

 篤がうんうんと頷いた。


 北見は、一緒に円工業に入って来た、小学ン時からの幼馴染の一人。
 ロボコン用に結成したこのチームではプログラミングを担当していたのに、本戦出場が決まった途端、家の都合で転校する事になってしまった。

 それが一か月前。

 基本、コンテストは円在籍の三人一組が出場ルール。
 今回は、転校という特殊な事情だから学校側には大目に見てもらう事になって、二人で参加するつもりでは進めていたけれど・・・、



 「一応、――――――さ。いるっちゃぁいるんだよね、そういう系、得意なヤツ」

 指先で、髪の毛をグリグリ絡めながら突然口を開いた篤の言葉に、

 「あ?」

 オレは思わず顔を上げ、篤の方へと腰を浮かす。

 「いるって円にか? この時期に、プログラミング出来る奴が余ってんのか?」

 「余ってるっつうか・・・」

 篤が、意味有り気な顔でオレを見た。

 「チームが設計ミスで予選落ちして、才能なら、持て余してるかも――――――」



 「・・・――――――誰だよ?」



 篤が、ここまで引っ張って名前を出す相手――――――、

 何となく、予感が走る。



 「――――――大木哲」



 「・・・はぁ・・・」


 やっぱそういう事か――――――・・・。


 「・・・あいつ、できんの?」

 オレの短い確認に、

 「出来る」

 篤が真剣な顔で答えた。

 「そっちの実力じゃあ、もしかしたら北見より上かも」


 北見より上、って事は、このプログラムを見直し、もしくは修正も可能って事だ。


 「――――――ならいいよ」

 間をおいて出たオレからの二つ返事に、篤は目を瞬かせた。


 「・・・本気か? レント」

 「ああ。北見より出来るって聞いて、捨て置き無理」


 オレの視線の先には既に愛着が深い銀色のロボで、


 「絶対にこいつ、まともに動かしたいんだ」


 真剣なオレの言葉に、篤が気を抜くように笑った。

 「りょ〜かい。早速さ、週明けにでも声かけてみるわ」

 「おう、頼んだ」

 親指を立てて合図したオレに、篤がふと、表情を静かにしてそれを告げる。


 「・・・焦ってるようには見えないけどさ、・・・レント、"代わり"を探してる?」

 「え?」

 聞き返しはしたけれど、篤が言いたい事は、解る気がした。


 「・・・そうかも」

 既に 騎士 ナイト が傍に居て、求めても応える筈もない美織の代わりに、それを慰めるように夢中になれるものを、オレは無意識の内に探しているのかも知れない――――――。


 「ん・・・。きっとそうかもな」

 「レント・・・」


 少し、眉尻を下げた篤に、けれどオレははっきりと告げた。


 「けど、お前の言う通り、焦りは無いから」

 「・・・」

 「惚れた気持ちを無理やり捨てる気はねぇし、それをする必要も無いだろ?」


 立ち上がり、"考える人"の姿で停止したロボの傍に寄る。


 「三度目の恋が見つかるまでさ」


 言いながら、ロボの鼻先を指で弾いたオレは、自分でも呆れるくらいに不器用で、


 「こいつ造りながら、美織を好きでいる自分とのんびり付き合うよ」


 それでも、それを言えるほど美織を想う自分の事が、馬鹿みてぇに誇らしかった。








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