「ユナ、みてみて〜」 「わ、煌、チョコもらったの? たくさんだね」 「うん。でもね、日本人の子がみんなチョコ持ってるから、ほかの女の子がすごくふしぎそうに見てた」 「ふふ、バンクーバーは日本人が多いけど、初めて見る子は驚くでしょうね」 「あ、ユナももらったの?」 「うん。薔薇の花。綺麗でしょ?」 「――――――キム先生から?」 「うん」 「ふうん・・・? いつかパパが知ったらヤいちゃわないかなぁ?」 「大丈夫だよ。あたし達が来月日本に引っ越しするのを知ってて、記念にって言われただけだし」 「・・・」 「・・・なあに?」 「・・・パパも大変だなぁと思って」 「・・・え?」 「なんでもない。――――――サエ、バレずにうまくパパに渡せたかな〜?」 「・・・うん」 「いまごろ、ユナのチョコ、食べてるかもしれないね」 「うん――――――、だといいな・・・」 「楽しみだね、日本に帰るの」 「・・・煌、日本に"帰る"って、そう言ってくれるの?」 「・・・バカユナ」 「・・・煌・・・?」 「はい」 「え?」 「ちょうだい?」 「・・・え?」 「・・・・・・」 「・・・あ、嘘、ごめんね、煌。ちゃんとあるから。ほら、和以とお揃い。――――――ねぇ煌、機嫌なおして?」 イチ香(カ)より一言: というワケでした。 |